2023-06-09 Fri 夜と霧
https://gyazo.com/3d44882f17e37678165d169953544049
仕事が終わってからビブリオ・ロジのVol5へ参加するために阿佐ヶ谷へ向かう。
@emuaarubeeque: 本日です! 予約満員ありがとうございます。雨も上がってお足元もよくなりました。ご参加のみなさん、選書テーマ「不気味」で、ぜひ自分の一冊お持ちください。
ビブリオ・ロジ vol.5
2023.06/09金曜 at阿佐ヶ谷roji @Roji1024
登壇者 高城晶平/松永良平/角銅真実
open19:00 start19:30
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初期の参加した頃に比べたら緊張もしなくなった..と思いたいが、阿佐ヶ谷駅についたときはググッと緊張をしてしまう。
それは、今日のビブリオ・ロジのテーマが「不気味」になっており、紹介しに持参した本の影響かもしれない...
会場に着くのが少し遅れてしまったので、恐る恐る店内に入ると高城昌平さんのプレゼンが既に始まっていた。
ここで紹介される本については出会った事がない本ばかりで、それが本当に有り難い。
改めて本という媒体は自由であり、何にも縛られない。
そういった事を再認識させてくれる。
@emuaarubeeque: 2巡目(テーマ「不気味)
髙城晶平「パラダイス・モーテル」エリック・マコーマック/訳・増田まもる
松永良平「冥途/旅順入城式」内田百閒
角銅真実「すいかの匂い」江國香織
お客さんからもテーマ「不気味」で何冊も紹介してもらいました。
#ビブリオロジ
つづく
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個人的にはベンヤミンの歴史哲学と星新一さんのマイ国家が気になっているので積読されている本を片付けたら読みたい。
その後も観客側の発表も聞いて、奇妙な物語だったり、ちょっとクスッとしてしまうような素晴らしい本の紹介が続き、自分の番が来た。
「不気味」というテーマで持ってきた本はヴィクトール・フランクルによる「夜と霧」だった。
悪名高いアウシュビッツに収容される過程と苛酷な環境を生き抜いた中で経験した著者の体験をつづった本であり、想像を絶する内容で胸が削られる素晴らしい本だ。
とにかく不気味というテーマだったので、本に記載されていた、極限状態における人の奇妙な状態が頭に残っており、そのエピソードを紹介した。紹介する前に「今日は花金なので、僕が言う話はそこまで真剣に聞かず...! 是非、お酒を飲んで、楽しんでいってください!」と説明した。が、やはり気持ちの良い話ではなかった。
机越しの松永良平さんと、角銅真実さんがよく見えていて、すごく優しい目でこちらを見守ってくださっているのはよく覚えている。
夜と霧、この本のタイトルには深い意味がある。
夜と霧(独: Nacht und Nebel, NN)は、1941年12月7日、アドルフ・ヒトラーにより発せられた命令で「ライヒおよび占領地における軍に対する犯罪の訴追のための規則」になっている。詳細は省くが、とにかく酷い、酷い命令だ。
その命令がこの本のタイトルになっている。
そしてもっとも「不気味」な事は、「夜と霧」というフレーズは、作曲家リヒャルト・ワーグナーの作品から引用されている事である。
「夜と霧」というフレーズは、ヒトラーが愛聴にしていたリヒャルト・ワーグナーの作品『ラインの黄金』の第3場「ニーベルハイム」から直接引用したものである。ここでは、隠れ蓑(頭巾)(英語版)「ターンヘルム(英語版)」を被った登場人物のアルベリヒが、„Nacht und Nebel, niemand gleich!“(「夜と霧になれ、誰の目にも映らないように!」)という呪文(独: Zauber, 英: spell)を呟く。
ref: 夜と霧 (法律) - Wikiwand
そんなエピソードまで紹介したのは、直近のウクライナとロシアの戦争が嫌でもこびりついており、まさに「夜と霧」の様な事が現代でも繰り広げられており、一番怖く、不気味なのは極限状態における人間ではないか...という話をして締めた気がする。
終わったあと、「あぁ~今日はこれじゃなかったな...」という若干の後悔があったが高城昌平さんが「まさかここで夜と霧の紹介があるなんて面白いね」とボソッと言ってくださった言葉で地上へ戻ってこれた。
いつもは運営側がSNSにアップロードする為、本を一時的に机に並べる時間があり、終わったら回収して帰宅する流れになっている。しかし、この日はスタジオで明日本番の大塚愛のコピーバンドの練習があった。
その為、本だけ置いて急いで吉祥寺のスタジオへ向かう。
スタジオ練習には全然間に合わなかったし、気持ちも入ってなかったが気がする。
「なぜ、あんな話をしてしまったのだろうか...?」、「もっと他の人と同じようにクスッと笑えるような、そういった方向で本を選んでもよかったのではないか...?」と思いながら、FA-06を無我夢中で叩いていた。
スタジオ練習が終わったのが22:00頃。その後気持ちを切り替えて阿佐ヶ谷に戻る。
cafe&bar Rojiに戻りサッと本を回収して帰ろうと思っていた。
本を探そうとした所、高城昌平さんが声をかけてくださり「無事にスタジオ練習はおわったの?」と聞いてくれた。
スタジオ練習では大塚愛のコピーバンドの練習をやっている事を説明して、ボロボロになっている楽譜を見せた所、めちゃ笑ってくれた。
「さっき夜と霧を紹介していたのが、大塚愛やるって、振り幅がすごいね!」
他にも色んな事をお話した気がするのだが、その言葉と爆笑されている高城昌平さんの顔が印象強くて、なにより嬉しく、なぜか自分の悩みがとても小さく感じられた。
https://gyazo.com/6259cf3e5cbcfbdf5b4c39d30a8ae9c1
夜と霧と、ロシアとウクライナの戦争、大塚愛のコピーバンド、高城昌平さんからの言葉。
すべてがよくわからない関係性で繋がっているが、事実繋がっている現実を受け入れて電車に乗り込む。
帰り道にふと「なぜ、こんなつまらない悩みをさっきまでもっていたのだろうか?」と考えていた。
多分、これまでは「わかりやすいキャラクター」として出していくのが正解だと思っていた。
その方が生きやすいし、楽だからである。
しかし、現実は全然つらい事もあるし、早く戦争が終わってほしい。わかりやすく生きる方が無理である。
それだったらもう縛られず、好きに、全部のせで生きた方がいいなぁと。
そんな事をぼんやり思い自宅に帰宅。
明日が本番なのに、わけのわからないスケールの悩みを抱えつつ、ベットで寝れる喜びを感じながら就寝。
お疲れ様でした。
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